彼女が俺の存在を知らないことなど分かっていたから。

でも、思ってしまうものは仕方ないと思う。

告白してくれる子達には申し訳ないが、彼女と姿を重ね合わせるようになってしまった。

それでも本当のあいつではないからOKは出せなかった。

──中2の夏。体育祭で彼女と同じ軍になった。俺は嬉しくてたまらなかった。

これは団長をやるしかない、と思った。

うちの中学は人数が少ないから団員も少ない。

先輩後輩あまり関係なく仲良くしよう、というのがうちの学校のモットーだったらしい。

そのため、自己紹介があったんだ。

もちろん、全員の。

そこで俺は初めて彼女の名前を知る。

今でも脳裏に焼き付いている。