しかしそんな毎日が続くわけもなく、あいつはじきにこなくなった。

来なくなった瞬間、人間ってのは日常が崩れたような気分になる。

全校集会の時や廊下に出た時には自然と目が彼女を追っていた。

彼女はすごく普通の女の子だった。

目立たない、だけれども嫌われない。

そんなどこにでもいそうな女子。

だが俺はそんな彼女に密かながら恋心が芽生えたのを感じた。

俺はいわゆる"告白"ってやつをよく受けるが、正直女にあまり興味はなかった。

彼女を除いては。

"告白"とやらを受ける度、俺は断り続けた。

彼女を知る前からだったが──。

彼女を知ってからは告白してくるのがあいつだったらいいのに、と思った。

だが、彼女が告白してくるわけがないのはわかっている。