難しいお相手

そんなある日、授業が終わり職員室に帰ろうとしてた時、

「中条先生~」

と、呼び止められた。

振り返ると斉藤 彩花が教科書を持って追いかけてきた。

「斉藤、どうした?」

「さっきの問題でわからないとこあって、愛夏も分かんないって言うんで聞きに来ました。」

「そうか。」

そう言って俺は斉藤に説明をしながら、

(志条も分からないとは珍しいな。)

志条は数学は得意なので少し驚いた。