ムラオキテ

大きな庭を抜け、重い扉を開けると、ワンルームほどの玄関が構えている。


芽衣はほうっ、と息を漏らし、靴を丁重に脱ぎ落とした。


「このまま進んだらパパの書斎、左折でトイレ。


そんで右折でリビングとダイニングがあるの。


ダイニングの入口の階段を上るとあたしの部屋、ママの趣味室、ゲストルーム、トイレがふたつと、お風呂が一つ。


ああ、そうだわ。1階にも露天風呂があるからね。


3階は、寝室が主よ。


4階はムービーシアターがあるから、好きな映画でも放映してね。」


つらつらと述べていく萌莉。


芽衣はそれに、目眩を覚えた。


「萌莉んち...凄すぎるって。じゃあ...まず萌莉の部屋行くね。」


萌莉はそれにコクリと頷き、リビングへと向かった。


「ママァ、今日、芽衣泊まるからねーっ!


ゲストルーム、貸してもいい??」


どうやら、お母さんに確認を取っているらしい。


「いいわよ」と、萌莉のお母さんと思しき声が聞こえてくる。