ムラオキテ

考えていると、芽衣もなんだか怖くなってきた。


そしてなにか思い出したように、スマホを弄り始める。


「...ちょ、芽衣?何やってんの」


「ん?LIME。山門(やまかど)に、ね。」


山門 寛文(やまかど ひろふみ)。


芽衣たちのクラスメイトで、オカルトマニアだ。


クラスで一際目立つ、1軍の芽衣たちとは違い、山門は目立たない、3軍と呼ばれる人たち。


だが何故か、芽衣たちと山門はとても仲がいい。


___1軍の男子は皆、チャラかったり、女あそびが激しかったりと、ろくでもない奴らばかりなのだが、山門は成績優秀な真面目な男子だ。


「...え?山門とー?なんで?」


「勿論、遠吠え集落のこと、聞こうと思ってね!


実は、この集落のこと、教えてくれたの山門なんだよ」


嬉しそうに舌を出しながら、芽衣がはにかむ。


萌莉はそれを見て、呆れた笑いを見せた。


「馬鹿じゃないの?山門はオカルトマニアであり、虚言癖があるのね」


皮肉混じりに萌莉が呟いた。


「ねぇ、もう!やめてよ!山門のこと、目の敵にして!」


「あったりまえ。いつも芽衣と仲いいから、ムカつくのよ!」


萌莉はそう言うけれど、その目は笑っている。


芽衣は知っている。


これも、萌莉の山門に対する愛情だということを。