商団は多くの品を取引する為、遠方からの商人を泊めたりする客間が大抵ある。
篇額を掲げているという事は、それなりに手広く商いをしている証拠。
ソウォン達は水蛇商団の門をくぐった。
ヘスの気遣いで、一先ずソウォンの傷の手当てを先にする事になった。
「お嬢様、お気を付け下さいね?傷痕が残ってでもしたら、大変な事になりますよ」
「またその話?私はお嫁になんて行かないって、何度言ったら分かるの?」
「はいはい、分かりますよ~。今は行きたくないんですよね~。でもいつか……、お嬢様にも分かる日が来ます。お慕いした殿方のお傍にいたいというお気持ちが……」
「…………そういうものかしらね~」
他人事のように上の空で聞いているソウォン。
頭の中は、回青の行方と何故この街にあるのかという謎に注がれていた。
「はい、終わりましたよ」
「ん、ありがとう」
ソウォンの腕には白い綿の布が巻かれている。
ソッチマ(下着)姿で物思いに耽るソウォン。
傷の手当てよりも、回青の事の方が気になって仕方ないのだ。
「傷の手当ては終わったか?」
「あっ、はい!今少しお待ち下さいませ」
戸越しに世子が声を掛けて来た。
チョンアは慌ててソウォンの肩にチョゴリを羽織らせる。
「お嬢様っ、早くお召し下さいませっ!世子様がお待ちかねですよっ」
「っ!そうだったわ」
チョンアの言葉で我に返ったソウォン。
急いでチョゴリに袖を通す。



