第5話

希望の光り

三咲が窓を開けて、一つ伸びをしていると、今日もいい天気ね、貴方に出会った時も、こんな風に空がすんでいたよねおはよう新しい私、鏡に映ったら自分に挨拶をした。
二人は、結婚して夫婦になった。
三咲は、着替えをして階段を下りて行くと、キッチンから、朝食の美味しそうな香りが、漂ってきた、夫婦になっても執事と当主という、立場上は変わらず過ごしているが、二人にはそんなことは、気にしてないようだ。
おはよう三咲、もう朝食できるから座って待っててね、とテーブルの上に朝ごはんを並べている。
わぁ、美味しそう頂きますと言うと最近出来た店の話とか、友だちとの会話とかごく普通の日常生活だ。
お互いのことは、まだ知らないことが沢山あるが、時間をかけて《本当に欲しかった物は何か、幸せの本当の自分》を見つけるきっかけとして、心の中に希望の光りが差し込んできたのかもしれない。
窓の外から春の陽気が入り込み、小鳥達のオーケストラが聞こえて来た。
季節はすっかり春になり桜が揺れて花びらの間から、太陽の光りが室内を照らしている。
春の陽気に包まれて二人は幸せの時間を共有して、新たに日常生活を満喫しているのかもしれない。