………

「結花、心」


意識を取り戻した私は瞬時に立ち、そう叫んでいた

「…えー、
美波桃葉さん?」

なにやら、机の上の紙とこちらを交互に見ながら、私にスーツを来た女の人が話しかけてきた

…もう吉川じゃないのか

ふと、旦那の苗字から旧姓に戻ったことを実感しながら、話しかけてきた女性を見た

「……木原先生?」

「はい。
美波さん質問ですか?」

キョロキョロ周りを見渡し、制服をきた集団が私を見ていることに気づいた

…ん?
この状況…

パンパンと自分の洋服を叩く

私も制服を着ている

…とりあえず落ち着こう


そう思った私は
「ちょっとぼおとしてました。」
と言って席につく


「じゃあ続きから、これから皆さんには入学式に向かって貰います。
順番は席順で廊下側の一番前から順に席について貰います」

木原先生は、私の高校一年生の時の担任だ。

周りを見渡すと、周りも一年生の時のクラスだし、制服も高校時代の正装だ。

落ち着け、落ち着け

さっき、先生が見ていた机の紙は席順だ。

ってことは、後ろには…宮内菜々子(みやうちななこ)が居る

ちらっと確認して確信した。

ここは、高校一年の時の教室だ。