隆司が私の手に持ってるハンカチ見て、自分の物だと気づいたみたいで、

ズボンをパンパンはたいて、手を突っ込んでみてから、頭を少しかきながら、こちらに向かってきた

「ありがとう。」

そう言って、差し出された手にハンカチを渡して、

「どういたしまして」

と笑ってみせた。

すると、照れたように礼をして彼はクラスに消えていった。



30歳手前の今ならわかる

彼は私に初めから気があったみたいだ。

高校生の時より大人になった自分に驚きつつ、彼との2回目の初対面を体験した。