晴れのち彼女

桑said

下駄箱に向かい、靴を履き替え、

名津は名原さんを、

俺は奈埜を送ることになった。

「すみません、幡井先輩。」

「…なにが?」

「今日助けてくれた事と、送ってくれてる事です。」

結構、律儀。

「全然、助けるの当然だし。生きててよかった」

「はい…あれは本当にしぬかと思いました。」

「………」
「………」

いつもは無言になると、何か喋らないとって思う時あっ

て、居心地が悪いんだけど、

奈埜といると悪いって言うより、心地いい

って感じがする。

「幡井先輩は命の恩人です。」

「大袈裟。って言う所なんだろうけど、今回は本当に
危なかった。なんで落とされた?」

あ、表情が強ばった。
聞くべきじゃなかったかな。後悔した。

「ごめん、聞くべきじゃなかったか?」

「いえいえ、トラウマとかそんなんなってないので
大丈夫ですよ?………えっと。帰ろうとしてて、」

「うん」

「そしたら下駄箱に………フフッ」

「あ、あぁ。どーしたんだよ、」

急に笑い出した。

「果たし状が入ってて…… アッハハハハハ」

そんなに笑うことか?

「お前、笑いすぎだろ。なにがおかしい?」

「え?だって、今どき、果たし状 フフフフ」

そーゆーことか。ツボ浅!

「あ、私こっちなんです、ここで。」

「あ?あぁ。いいよ。送らせて。」

「悪いです!!」

「いいからいいから、な?」

俺がもっと居たいだけ。なーんて、言えるはずない。

「親御さんも心配するから、早く行くぞ」

「あ、私一人暮らしなんです。」

………は?

「………まじ?」

「はい!アパートで一人暮らしです。」

おいおい、まじかよ。
危ないじゃん。

「だったら余計に心配、送ってく。」

「え、いや、いいですって」

「なにがなんでも送ってくから、」

「は、はい。」

なんだよ、先に言えよな。

さっきの続きを聞きながら家まで送っていった。

にしても、本当に落とすとは思わないよなー。

ヘタしたら警察にお世話になるんだぜ?

すごい勇気だわ、ギャルども。

そう考えているとアパートまでついた

「今日は何から何までありがとうございました!」

「いいえ。ゆっくり休んで。」

-バタン

奈埜のアパートから俺の家まであまり遠くなかった

多分、徒歩20分くらいだろう。

まぁ、なにかあっても助けにいけない距離じゃない。

ただ頑張っても10分はかかる。

まぁ、被害はなくなるとは思ってないけど、

しばらくは何もないだろう。

目撃者は多数いる。きっと退学処分になるだろ、


"なにか"が起きなければいいが。。