晴れのち彼女

奈埜said

目が覚めたら白い天井が目に入った。

ここ、どこ?
え?!こわ!!

ーガバッ

「あ、蒔田さん!起きた??大丈夫?」

目の前には知らない男が私を揺らしている。

「あー、えっと??」

状況が理解出来ない。全くもって理解不能。

「お「覚えてない?!蒔田さん落ちたの!」

あ、誰だか知らないけど被せられたね(笑)

うーん。落ちたのか………え?

「わ、お、え?落ち………。ああああああーー!!!」

思い出した。思い出したぞ。屋上でギャルに。

「そうだ、私。そっかぁ。」

落とされたんかぁ。
思い出したらイライラしてきた!

「ッチ……あんのギャルどもめ」

許さん。何がなんでも許さない!

人を突き落として〇ろそうって。
犯罪者か!!若いうちに牢屋はいっとくか?!

退学になるかな、反省文で終わるかな。

……いやいや!人殺しになってたかもしれないし、
反省文じゃ済まされないでしょ。

ほんっとにイライラする!!

「絶対殴る……あんのギャル!!」

「え、怖いよ、蒔田さん。」

イケメンに真顔で突っ込まれた。

もう1人は寝てるし。

「えーっと。助けてくれたのは?」

助けがないと今ここにいないよね。

「あ~!助けたのはね、こいつだよ!」

と、寝てる人を指さした。

「幡井 桑(ハタイ ソウ)。」

「幡井センパイ…」

「お?なんで先輩って思ったの?」

ニヤニヤしながら聞いてくる。

「いや、学年で見たことないなーって。
同じ学年ならすれ違うはずだし、見かけるはずなんで
すよ。私顔覚えるの早い方ですし。」

「そっか‼観察力すげぇ!てか、よく喋るね~(笑)」

はっ‼またやってしまったか。
めちゃくちゃ喋るクセを。

喋るのは良いんだけど、
言い方がムカつくだのなんなので
中学の時に、友達は全員去っていった。
一時期はいじめにもあってたな。

そんな事があってからは、喋らなくなって
周りと関わらなくなった。

「ご、ごめんなさい。」

「別に誰も怒ってねーよ。」

さっきまで眠っていたはずの人が口をひらいた。

「過去になにがあったかなんて知ったこっちゃない。
だけど、話すことは悪いことじゃないだろ、
謝ることはないんだぞ?……って何泣いてんだよ?!」

「あー、桑が女の子泣かせたー。」

「は?!ちょっ。嘘だろ?泣くなよ」

今まで欲しかった言葉を、誰もくれなかった言葉を
この人がくれた。

「……泣いてないですよ。」

「嘘つけ!泣いてるじゃん!」

幡井先輩。よく見るとイケメン。

黒髪はストレートで、片方耳にかけてる。
ピアスがあいていてよく目立つ。
目はタレ目で、涙ほくろがあって、肌が白い!
女顔負けって感じ。
無愛想に見えるけど、笑うと綺麗な人。

「おい、名津。どーすればいいんだよ。」

「自分でどーにかしなよ~」

あ、この人名津って言うんだ。

「な、名津先輩……?」

「うん?あ、名前ね!金田名津って言うんだ」

「金田先輩、」

髪の毛は茶髪で、前髪を上げてる。
いかにも女遊びしてますよーって雰囲気。
幡井先輩とは違う、くせっ毛で、
人懐っこい顔をしている。
目はクリクリしてて、可愛い感じ。
だけど、何かと企んでそうな黒い笑みと
察しが良すぎるとこが怖い人。

「名津でいいのに~(笑)」

「…名字で結構です。」

「今日はもう遅い。帰ろう。」

時計を見れば5:30丁度部活が終わって帰宅する
時間だろう。

「あ、荷物持ちに行かなきゃ」

ベッドからでようとした瞬間

―ガラガラガラ

「蒔田さん!!」

ん?ん?え?

「ハァハァッ 遅くなってごめんね~!」

同じクラスのすっごくかわいい女の子。

名前はね、確かぁ……名原 花織(ナハラ カオリ)

ふわふわ~とした雰囲気をまとった天使って
誰かが言ってたっけ。
でも口が悪くて、悪魔にも見えるとかなんとか、
まぁ確かに天使だわ。

耳の下で二つ縛りをしている髪はふわふわしてて、
身長は…………クソっ。私よりデカい‼
メイクは濃すぎない程度にしてるって感じ

そんな人が私の名前を呼んでいる…
うん。不思議だ。

「遅くなっちゃった!部活の片付けしてたんだぁ。
ほんと、先輩たら、私の方がレシーブうまいからって嫌味言ってくるわ、いじめてくるわ……………」

「ちょちょ、ちょっと待って。なんで名原さん?」

「あ!そうだったね!はい!カバンだよ!!」

「え、うん。ありがとう。」

質問の答えが返ってこないんだけど…??
しかも、名原さんってバレー部?!

「ちが、違くて、なんで「あー!聞いたよー!てか
見てたー!落とされてたよね‼あの時は
心臓飛び出るかと思ってドッキンドッキンだったよ」

その割にはめっちゃニコニコしてんな。

「名原ちゃん?だっけ、面白いねぇ!」

「えー?……あ!!金田先輩じゃないですかぁ!」

「どーも!」

ちょいまてい!!私の質問は?!

答えてくれないの?!

「おい、少し落ち着けよ、困ってる。」

幡井先輩。今のはナイスです‼

「あ、わかった!蒔田さんが聞きたいのって
なんで私がいるのかって話でしょー?」

「!…は、はい、」

なんでわかった…この人も金田先輩タイプか、
察しがいい。

「実はね?」

名原さんの話によれば

部活の練習で外周を走ってたら、丁度私が落ちるのを
目撃したらしく、しかも、幡井先輩が私をキャッチ
して、保健室に連れていくのも見えたらしい。

それで、もうすぐ下校時間になるし、
カバンがないと困ると思って持ちに行ったんだけど、
途中でバレー部の先輩につかまり、片付けをさせられ
今に至ると。

関わったこともないのに、この優しさ。
いい人もいるんだね。

「そろそろ本当に帰ろうぜ。もう暗い。」

幡井先輩に言われて外を見れば、さっきまで夕焼けだったはずの空が、いつの間にか暗くなっていた。

「うわぁ、ほんとに暗い。金田先輩!送ってって
くださいよぉ~!」

「ハハッ いいよ!夜道は危ないからね。」

何かと仲がいいのか、黒い笑み同士で見合ってる

「今日はご迷惑をお掛けしました。」

―ポンポン

「怖かったな。今日はゆっくり休め。」

「は、はい!」

頭撫でられるって、なんだか照れくさいな、

「よし!帰ろうか」

4人で保健室を出て下駄箱へと向かった