晴れのち彼女

蒸し暑い朝、いつものように登校して
蒸し暑い夕方、いつものように帰る。

はずだったのに。
「はず…だったのに」

とうとう来てしまった。屋上
なんでかって??
聞きたいなら教えましょう。

私、蒔田奈埜(マキタ ナノ)は
一言で言えば、小さい。
たったそれだけ。
こんな平凡な私の下駄箱に
なんと、なんとですね!!

果・し・状

が入ってた訳なんです。
内容はと言うと…

<放課後、屋上に来い。
来なければお前を○ろす。>

ヒィー。怖い。平凡な私でもイジメにあうのか…
これは行ったほうがいいな。うん。

…というわけで来ました。

「ま、まぁ。なんとかなるよね!」

_ガッチャ

うわぉ!蒸し暑い!ムーンッてきた!!

「あ、あのぉ。」

ドアから顔を覗かせると
いかにもギャルですっ!て感じの
化粧の濃いギャルが3人いた。

「あー、やっときた、」
「ッチ…おせーんだよ。」
「ブスのくせによ!」
「「「ギャハハハ!」」」

なに笑ってんだ!
ブスは認めるよ!!ブスは!!
でも遅いのはブスと関係ないじゃん。
運動が苦手なだけだよ。

「な、なにか用でしょうか。」
「あ?用があるから呼び出したんだろ?」
「能なしかよwww」
「猿でもこんなんわかるよな!!ww」

私は猿以下ですか?!

「はやくこいよ。」

チッ。面倒くさいな

渋々従う。

「はいはーい、ここに立ってね」

「え、こ、ここですか、」

まじかよ。ここの学校の屋上って
柵がないから怖いんだよね。

私が立たされた場所。何歩か下がったら
落ちるような場所。

「あんたさ、ムカつくのよ」
「え?」

何に……?

「どーせ猫でも被ってんでしょう?ブリブリしちゃって、
目障りなんだよねぇ。」

はぁ?してませんけど。
………え、それだけ??

「?…で??」
「あー、能なしには分かんないかぁ!!しょーがないなぁ、簡単に言うと」

_ゴクリ

「いなくなって?」

そう言った瞬間、肩が押された

え、え、え、まって落ちるんですけどー!!

_ドン

「キャッ」

あ。やばい。落ちた。

あーあ、がんばって平凡にしたはずなのに。
ここで終わりかぁ。


痛みはなく、温かい熱に包まれながら
意識はなくなった。