この話は、俺、桧山蓮の恋物語だ。
俺がまだ幼い時には、まだ夢があった。
女みたいで今は口に出したくないけど、結婚して幸せに暮らすのが俺の夢だった。もう、その夢は叶わないけど…

 俺はたった5歳の時に母さん、親に捨てられた。
理由は、小さかった俺には分からなかったけど、1回だけ話してくれたのを覚えている。
『母さんは、お前が居なかったほうが幸せだった。お前は母さんの望まれた子じゃない❗ 無理矢理脅されて産んだ子だったんだ。でも、この地獄からやっと解放される。やっと、お前を見ないでいける方法が分かったんだ。』
そして、母さんは台所にいって包丁を持ってきた。一瞬で理解した。(あ、俺母さんに殺されるんだ。)と思った。
でも、母さんは、俺に笑って見せた。母さんは、眼を瞑って、包丁を持った手を首にあてて 『じゃーね、蓮、バイバイ』っていって首筋を切った。それが唯一覚えてる記憶だった。俺は、それから児童施設に入って孤立していた。