都心を少し離れた場所にある山の頂上。

夜景スポットではきっと掲載されていないような穴場。



俺専用の癒しスポット


真面目に嫌になってやけくそで来た学生時代に見つけた大事な場所


本当に誰も連れてきたことが無いし、ヒナにも教えていない場所



なぜか、こいつには教え絵もいいんじゃないのか・・と、思ったんだ




なんて言うか・・ほら!
同じ匂いがするっつーか・・



こいつは特滅な存在なのかもしれないな・・



しばらく車を走らせて、無事に着いた。


「久しぶりだな・・」


相変わらず誰もいない

静かな場所




さて、また起こすかな

「櫻木?起きろって?」



「ふぁっ?」


「そんなに眠いのか?」



「たまたまね〜」


「俺といる時寝すぎだろ(笑)
今日初対面なのに3度も寝てるだろ!!

昨日ちゃんと寝たのか?」


なかなか心配になるな、こいつ


車から降りて櫻木は目が覚めたのだろう

「うわぁっ!!!」

この絶景の夜景

街を一望できるこの山頂に心を動かされない女、いや、人間はいない

それぐらい自信がある

「なっ?綺麗な場所だろう?
初めて人をここに連れてきたんだ。

俺の大好きな場所なんだ。

なんか嫌なこととか、
落ち込んだ時はここに一人で夜眺めに来るんだよな。」



こんなアピール・・
小学生か、俺は・・



しばらく黙って夜景の眺めに癒されていた俺たち

先に話しかけたのは櫻木だった

「知らなかったなぁ・・・。」


「ん?」


「ここだと一人で居られるし、なんせ静か!」


「そっ!
マジで俺以外誰ひとりと連れてきたことなんて無いんだからな?
俺と櫻木たった二人の秘密だ。

またなんかあったら言えよ。

俺がまた連れてきてやる。」



「本当?」


何をそんな焦ってるんだろうな。
俺、今日だけ子供になったのかもしれない。


それでも嬉しそうにする櫻木はたまらなく可愛い

そしていじめたくもなる♩

「おっ!今俺のこと惚れたんじゃない?」


「それは無いけど・・」


「けど、何?」


「良い先生なのかな〜?って思ったの!!!」



ははっ(笑)

嬉しいこと言ってくれるな!


おじさんもにやけそうだ。



真っ赤な顔をした櫻木は夜景をバックにすると何かの恋愛映画のヒロインのよう



「ふっ!なんだよ? 今更気づいたのか?

俺は最初っから”良い先生”だっての!!」


「はぁ!?ウソウソウソ!!!


“良い先生”は初対面の可愛い生徒を放課後呼び出して資料作りなんてさせませ〜〜んだ!」



「ウソじゃ無いし!(笑)

てか、お前が今朝のHRの時に爆睡してたのが発端だろうが!」



「・・・」


「まぁ、良いや。

サンキューな!!


また来ようぜ!」

そう言いながら今度は大事なものを触るように優しく、優しく
櫻木の頭をポンポンって撫でた


また、櫻木の頬は真っ赤だ。
わかりやすいな〜


こんな言い合いも楽しんでいる俺


今日本当に会ったんのが嘘かのように波長が合っていると思う。
櫻木もそう思ってくれたら嬉しいな