駐車場までの道のりでは、櫻木は俺にぴったりくっついて歩いた。


怖かったんだろうな。相当。


車の中では・・・

第一声がひどかった。




「やっぱ臭っ!!」



「やっぱってなんだよ」


ひどすぎる、、

俺の大事な車に乗せてやったってのに・・・。


「タバコ苦手なんだよね。」

はぁ!?

そうなの!?


「お前、そーいうことは早く言えっての!」


「普通生徒の前では吸わないでしょーが!このバカ教師!」

馬鹿って・・
でもさ・・


「バカは余計だって。

てかお前以外と細かいのな」


「そっちが教師のくせに

ハメ外しまくりだからでしょっ!」




「ん〜〜〜でも?」




「え?」




「俺、櫻木はタバコのこの匂い嫌いじゃないと思ってたからさ?」



「なっ!!」



「おっ?当たり??」


だから、、大丈夫だと思って安心して吸ってたんだ。

こいつ、図星って顔してるな



「やっぱ、大魔王は超能力者か何かですか?」

出ました!”大魔王”

しかも今更何で敬語?


こいつつかめないわ・・



「ちょいちょい出てくるな大魔王!!

櫻木の顔に出てるの!

お前は正直者なんだな。」




「でも、タバコの匂いは嫌い。」



「そっか、じゃー吸わねー」



「そーして」



俺、禁煙もしなきゃ・・か。


ほどほどにしよう。




それからしばらく、運転しているとあっという間に櫻木の家に着いた。

立派な一軒家だな・・
お嬢様か?



時計を見たら8時15分


「8時回っちゃったな。
親御さんが心配してないか?

連絡してるならいいんだけどさ」



「私ん家はそんな家じゃないし。

てか、まだ8時か・・」


「もう、8時だろ?

女子高校生がこんな薄暗い夜道歩いてたら襲われちゃうだろ?」


「・・・」

黙りこんでしまった櫻木・・

何だ?複雑な家庭なのか?




よし・・

「ふ〜。


じゃっ、ご褒美な?」



「へ?」


きょとんとした櫻木



俺は再びエンジンをかけた。


向かうは”あの”場所。



「どこ行くの?」

と、俺に不思議そうに聞いてきた櫻木


「着いてからのお楽しみ♩」


「そっか。」


それからさらに聞いてくるわけでもなく、気付いたら助手席に座っている櫻木はまた寝ていた。



「ふはっ!!」