その日に愛は母親の元へと向かった。
深く深呼吸をし、母親の部屋のふすまを開ける―――――
そこには、お腹の大きな母親の姿があった。
「……………お母様」
「あんた…なんで!あたしは…違う!あんたなんて産んでない…いやああぁぁ!」
母親はまったく変わってなかった
それに愛を産んでないと自分に言い聞かせてきた分、
衝動が走ったのだった。
「咲枝(サキエ)!どうした!?」
そこに来たのは、愛の父親。
父親は母親、咲枝を違う部屋に移し、愛に言った。
「愛…咲枝はあんなお腹なんだ。愛がいると体に障るんだよ。もう…咲枝に会わないでもらえないだろうか」
愛は悲しくなんてなかった。
元々、和解しようと思って来たんじゃない。
ただ、けりをつけたかっただけ。
「第2練をお前にあげる…そこには君の姉さんもいる」
「姉さん…」
そう。
愛には、姉さんがいた。
母親いわく、駄作。
愛のように。
そしてまた、朝がきた。
愛の朝は、いつもより日が明るい気がした


