「……………」
愛の目の前には
それは美しい少年がいた
ほんのり赤い目の、スーツを着こなす
同じ年齢ぐらいの少年
「…よかった……です」
少年はそう言って、片手に朝食を持っていた。
「朝食、いただきます…」
「はい…」
愛の、まったく想像通りの少年だった。
落ち着いた雰囲気と
少しだけ長い髪
そしてなにより
部屋を出た愛は
空気を思いきり吸い込む
そして
少年に、ずっと愛が付けていた雫柄のネックレスを渡した。
すると少年は
「愛さんの世界は、もっと広い所にあるのですよ」
と微笑む
「……はい……」
愛は答えながら、静かに涙を流した。


