「愛さん、朝食です」 「……あり…がと」 遂に、無心だった感情が"ありがとう"まで成長していた。 「今…今何て言いました?」 「…あり…がとう…って…」 「愛………さん…」 少年はひどく驚いた。 そして カチャン。 約一年、開けられなかった鍵が 地面へと堕ちた瞬間、 ドアが鈍い音を立てて 愛と少年の間をあけた