「私はこの広い家の世界で、なかったモノなんです。ですからあまり構うな、と言われているのではありませんか」 今度は愛が 淡々と少年に問いを向けた。 すると少年は 「また明日来ます。遅くなると、怪しまれるので」 そう言って去っていった。 "遅くなると怪しまれる" それは、愛への問いの答えを言っているようなものだった。