それでも生きていく

「お、覚えているのか!?」


男の人が口を開く。


覚えているもなにも、


『ただ、浮かんできただけ、ですけど…』


そう、本当に覚えていない。


「そう、か…。」


「きっと…頭のどこかに残っているのね。」


残念そうにした男の人を慰めるかのように女の人が言った。