ガラッ




教室を開けると、もう結構人が来ていてすでに連絡先を交換したりなど、友達づくりの輪が出来ていた。


「な!な!見ろよ!!」

北斗が無駄にバシバシと、俺の肩をまた、激しく叩きながら興奮気味、女子の輪の中心を指差す。

「七瀬 凛奈(ななせ りんな)だぜ!また、同じクラスとかサイコーじゃん!」


北斗はニヤニヤと嬉しそうだ…。


七瀬 凛奈。コイツは中学から3年間ずっと同じクラスだった。

容姿端麗、成績優秀、しかも、お金持ちのお嬢様であり、現代に蘇った愛の天使ナイチンゲールとも言われるほど優しく、男子にも女子にも凄まじい人気を誇っていた。

七瀬はこっちを一瞬見ると、ニッコリ微笑んだ。それは、それは天使のような笑顔で。

「おぉ!!七瀬さんがこっちを向いて微笑んでくれたぞ!!ヤバイ!!今日もかわいい!!」

北斗のテンションはMAXだ。ウザい。


こいつは知らないんだ…、本当の七瀬を…。