*好きと言えない俺様王子*

 昼休み。

『1年C組、赤澤、黒瀬。至急職員室まで』

 紫田から呼び出しを喰らったので職員室へ。

 この組み合わせからして多分日直関係のことかな。

 職員室に行くと、既に黒瀬君がいた。

「遅いぞ赤澤」

「す、すみません!」

 紫田は椅子にふんぞり返っている。

「今日の日直の掃除だが……教室じゃなくてプールの掃除を頼む」

「プ……プール……ですか?」

 予想外の言葉に、私はオウム返しに言った。

「そろそろプールを使う時期だ。今年の掃除はC組なんだよなぁ。ってなわけでお前ら2人プールの掃除だ」

 プ、プール掃除……ですと!?

「そそそそんな!あの広いプールを2人だけで!?」

 私が必死に抗議すると

「掃除といってもプールサイドを軽くホースで水かけるだけだ。なにも藻があるわけじゃあるまいし」

 紫田は軽々しく言った。

「今日体育なかったからジャージ持ってきてないんですけど」

 黒瀬君が静かに言うと

「じゃあ制服でやれ」

 と紫田はまたもや軽々しく返答。