*好きと言えない俺様王子*

「ぷははっ!なにそれウケる~!」

 話を聞き終えた翠がお腹を抱えて笑っていた。

「笑い事じゃないよ!」

「もーあの時のあれは冗談ですって言えば?」

 翠は他人事だと思って軽く言った。

 まぁ他人事なんだけどね!

「うぅ……その時は夫婦とかの意味がよく分かんなくて適当に……はぁ」

 当時5歳だった無知な私を恨んだ。

 考えなしにそんなことを言って……

 無知って罪だわぁ……

 結局あのおもちゃの指輪は引越しの時に捨てた気がする。

「ま、頑張れ」

 翠はよっぽどツボにハマったのか、まだ笑っていた。