「うん」



「じゃあ着替えておいで。歩ける?」



「歩けるよ」

ふらふらしながら、更衣室に行こうとする千尋が危なっかしい…

「ついていこうか?」と聞いたら、首を横に振られた。


秀にはドンマイと言われた。


「ねぇ理央、千尋ちゃん大丈夫?」



「なんで?」



「男2人が千尋ちゃんに近づいてる」

楓に言われてよく見ると、確かにチャラそうなやつが近づいている。


「あっ、千尋ちゃん捕まった」



「楓、実況しなくていいから。助けに行ってくる」



「俺も行く」



「じゃあ俺も」

3人で行くと、千尋が涙目で震えていた。

おまけに千尋の肩に男の手が…


「千尋」



「理央君」

千尋の側に駆け寄ると、ぎゅーっ抱きついてきた。