本当は覚えてるけど、小銭を沢山貰っても財布がキツくなるし

100円でいいや。


皆にお金を貰って、飲み物を渡し終えたら次は楓さん達だ。

「秀さん、楓さん、理央君」

荷物が置いてあるパラソルの方に行くと、丁度3人揃って座っていた。


「大ちゃんと、飲み物買ってきたんで良かったらどうぞ」


「ありがとー千尋ちゃん」


「千尋ちゃん、ありがとう」

秀さん、楓さんの順でお茶を渡した。

理央君にも渡したいけど、さっき理央君置いて逃げた……って言うより女子の威圧に負けて逃げちゃったし…

あっ、意味同じか。


うーん…どうしよう…

めっちゃこっち見てる気がするし、早く渡して謝ろう。

「理央君は烏龍茶だよね?はいこれ……わっ!?」   


烏龍茶を持っていた手が掴まれて、一瞬で理央君の腕の中におさまった。

っ!?

ん??

何この状況!?


「りっ…理央君?」


「千尋、いつから熱ある?」


もしかして大ちゃんが理央君にチクった??

理沙は絶対言わないだろうし、言うとしたら大ちゃんしかいない。


「海に入った時は熱なかったし、いつから?」


「熱ないよ…」

ちょっとふらふらするくらいだし。

別に熱ないと思うんだけど。


「はぁ…気づいてないの?」


「元気だもん」