「嫌だーー帰るーー!!」



「熱高いんだし大人しくしなさい」



「嫌だーー!!寝てれば治るーー」




中崎クリニックの入り口前で聞こえてくる声。


「高校生にもなって、病院嫌いとか笑えるから大人しくして。暑いんだから早く中はいるよ」



「無理ーー!!離して、家で大人しく寝てるからーー」

必死に抵抗しているのに、引っ張られてクリニックの中に入った。

病院の中は、冷房が効いていて寒い…



一応靴は脱いで、スリッパに履き替えたけど今すぐ逃げ出したい。


「診察券と、保険証貸して」



「嫌だ…ねぇ帰ろうよ…」

診察券と、保険証は鞄のポケットに入っているけど絶対教えない!!

というより今すぐ帰りたい…


「ダメに決まってるでしょ!!1週間以上も風邪引いてて熱もずっとあるんでしょ?」



「ない!」



「いつまで駄々こねてんの?」



「げっ…」