千尋の頭を撫でていると、まだ熱が高いのかすぐに眠った。

点滴の針を刺し直して、また仕事に戻った。


「フゥ…」

仕事は終わったけど、千尋の点滴まだかかりそうだな…


そろそろ熱が下がってきてるといいんだけど…


白衣の胸ポケットから体温計を出して

千尋の脇に挟んで、腕を固定しながら測ってみた。


ピピピピッピピピピッ...

38度3分、少し下がったな。


「先生……?」



「悪い、起こしちゃったな」



「帰っていい?」


まだそれ言うか…

どんだけ帰りたいんだよ…


「今日家に親いるの?」



「あと1週間は帰ってこない、いたらとっくに病院連れていかれるし…」



「それもそうだな…じゃあ点滴終わったら家に連れて帰るよ」



「何で!?」



「家に誰もいないんだろ?また前みたいに家の中でぶっ倒れられたら困るからな」