頭を撫でられたって許さないもん!!


プンッと理央君と反対の方を見ると秀さんと目が合った。

そう言えば秀さんこっち側にいたんだった。


「千尋ちゃん熱測ろう」

頭を横に振るとフワッと体が浮いて理央君の膝の上に座らされた。


「ちょっ、グスッおろして」



「熱測ったらね」

泣いてるのもお構いなしに、脇に体温計を挟まれて腕を固定された。

体温計が鳴ると、すぐに理央君にとられた。


「千尋、注射と点滴どっちがいい?」



「注射…」
の方が痛くないかな?


「注射だと筋肉注射になるけどいい?」

サァァ…

筋肉注射…

絶対そっちの方が痛いじゃん。

「点滴…」



「分かった」

理央君が手を離したら逃げ出してやる!!


コンコン

「秀、出てくれる?」



「いいよ」

秀さんがドアの方にいって、ドアを開けるとお父さんが…