「あぁいいよ」

カバンってなんだろ?

さっきの体温計とか入ってたやつかな?


もしかして解熱剤の薬くれるのかな?


「千尋、部屋に着いたよ」

気付くと、ホテルの部屋の中。

寝てたの自分?


「千尋疲れたでしょ?ベッドで休もうね」

ベッドに寝かされると布団をかけられた。


「熱辛くない?」



「うん…」

少しすると、部屋のドアがノックされて理央君が秀さんを連れて戻ってきた。

「千尋、軽く診ていい?」



「やだ」

こんな所に来てまで、診察されるなんて無理!!

布団を頭までかぶって一応抵抗。


でもすぐに布団を剥がされて

理央君の手を見ると、聴診器……


「理央君嫌い…」



「少しだけだから」

聴診されるの嫌いだし!!  

お腹とか触られるし、背中も触られるの嫌なんだもん。


「嫌だ」



「ちょっとだけだから、頑張ろう?」