そんなふたりの会話をききながら
私も家族とのことを少し思い出していた。
いい思い出がたくさんあった訳ではなくむしろ悪いほうが多いかもしれないけど。
家族で居られるのは一番楽しかった。
うわの空の私に気づいたのか2人がじっとこちらを見ていた。
「辛いこと、思い出させちゃいましたか?」
宮瀬くんそうやってあったばかりの
私にさえも気遣ってくれる。
樹屋さんはかける言葉が見つからないのか
心配したような視線を送ってくれた。
『大丈夫です。
なんでこの世界はこんなにも理不尽なんですかね…』
ふと溢れた言葉に反応したのは黙っていた樹屋さんだった。
「理不尽なんかじゃないよ…たくさんの奇跡が重なってあたしたちは出会えて今話してるんでしょ?」
その優しい言葉に目の前の景色が滲みかけた。
『私はみんなが幸せならそれでいいんです。例え私だけが不幸になっても』
その言葉には家族のこと、そして村の人たちのことも含まれていた。



