「くっっっっっっ!」

吹き飛ばされたものの、空中で静止するヴァネッサ。

「貧弱で脆いピワン人の小僧が、あんな変身に覚醒するだと?」

神化や超越神化は、ドラン人の専売特許ではない。

幾多の戦闘を経た者だけが至る境地、生き延びよう、強くあろうとする者だけが手を伸ばせる境地、生命体の究極の形態であるこの姿に変身する事が出来るのだ。

そして、シリウスも確かにその資質を兼ね備えていた。

彼は斉天大聖やウラヌス、ヴァネッサらを前にしても、『強くあろう』とし続けたのだ。

その結果が、この覚醒に繋がった。

「ドラン人だろうが、ピワン人だろうが、関係ねぇ」

超越神化の蒼いオーラに包まれて、シリウスは拳を握り締めた。

「お前はぶっ飛ばす」