その言葉が引き金だった。

…弱いのは分かっている。

斉天大聖やウラヌスより、力がないのは分かっている。

しかし、シリウスはピワン人である事の誇りを持っている。

その誇りを踏みにじる奴は、誰であろうと許さない。

例え、京の位の能力値を持つ神であっても!

「わぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁあぁっ!」

拳を握り締め、全身に力を込め、体内からオーラを噴出させる!

立ち昇る火柱のようなオーラ。

シリウスの能力値が上昇する。

最初は、ヴァネッサが笑って見ていられる程度の戦闘力だった。

しかし、だんだん様子が変わってくる。

バーナーのように噴出するオーラ。

その色が金色に変わり、やがてシリウスの頭髪も逆立ち、黄金色に染まる。

「これは…神化…?」

倒れたままの斉天大聖が呟く。

怒りという感情の爆発により、シリウスは神化に覚醒したのだ。

だが、それだけではない。

「畜生っ、まだ勝てない!まだ勝てない!こんなもんじゃあっ…!」

神化に覚醒したにもかかわらず、シリウスの怒りは収まらない。

「こんなもんじゃあっ…!」

神化で収まる事なく、シリウスの能力値は上昇し続けていく!

「一族の誇りは守れないんだぁあぁぁあぁぁあぁぁっ!」