そこへ。

「斉天大聖っ!」

宇宙艇から飛び出してくる人影があった。

シリウス。

斉天大聖に言われていたにもかかわらず、彼は出てきてしまった。

「ん?…何だお前は」

ヴァネッサが空中から舞い降りてくる。

わざと、地面に倒れたままの斉天大聖を足蹴にするように。

「宇宙艇に乗っていた仲間か。まだ何人かいるようだが」

「くっ…っっっ…」

兆も京もある能力値の持ち主相手に、シリウスの力では役不足もいい所。

そんな事は、本人が一番分かっている。

「に…逃げろシリウス…出てくるな…」

辛うじて息のあった斉天大聖も、必死でシリウスを逃がそうとする。

が。

「黙っていろ。今は俺が話しているんだ」

そう言って斉天大聖の喉を踏むヴァネッサ。

苦しげに、斉天大聖が喘ぐ。

「お前はドラン人ではないな…ピワン人か?」

ヴァネッサが言う。

「肉体も能力値も、ドラン人より貧相で貧弱なピワン人が、何をするつもりだ?ゴミはゴミらしく…」

ヴァネッサは嘲笑した。

「片隅でガタガタ震えてろ」