「かは…!」

倒れたまま、咳込む。

よく生きていた。

あれだけの攻撃を受けながらまだ死なずにいられたのは、ウラヌスの鍛え方がよかったからだ。

生まれつき強靱な肉体を持つドラン人である彼が、想像を絶する訓練を積み重ねた結果、何とか生き延びられたに過ぎない。

その証拠に、ドラン人よりも脆い肉体であるピワン人のシリウスは、タイタンの一撃でもう動けなくなっている。

命すら危うい状態だ。

「ス…スピカ…」

ようやくの思いで立ち上がったウラヌスは、掠れる声でスピカに呼び掛ける。

「シリウスを連れて逃げろ…貴様まで殺されるぞ…!」

「ア、アンタは…ウラヌスはどうするのよ!」

震え声で叫ぶスピカに対し。

「お、俺には…」

ウラヌスは両掌底を重ね合わせた構えを取る。

「俺には…まだ奥の手がある…」