「見掛け倒しめ」

攻撃を止め、ウラヌスは見下ろす。

筋骨隆々、如何にも強そうな外見の割には、まるで手応えのない奴だった。

もう少し遊べると思ったのだが…。

「この程度なら、シリウスにくれてやるべきだったか」

鼻を鳴らすウラヌス。

しかし。

「む…?」

地面から舞い上がる粉塵。

その粉塵の中で、能力値を感じる。

500億。

ウラヌスの最大値と同じだ。

「面白い」

ウラヌスはニヤリと笑う。

そう来なくては。

あっさり死なれてはつまらない。

もっと抵抗してもらわなければ、張り合いが…。

「…なに…?」

そう考えていたウラヌスは、粉塵の中の能力値が、上昇し続けている事に気付く。

500億、510億、520億。

「600億…だと?」