この大男に、既に理性はない。

彼の代わりに説明すると…。

大男の名はタイタンという。

ウラヌスの見立て通り、シリウスやスピカと同じピワン人。

強さを求めて宇宙を放浪し続けた末、神化に覚醒したが、その覚醒に精神が耐え切れずに目に映るもの全てを殺し尽くす破壊者となってしまった。

この惑星にも、タイタンが訪れる前までは大きな都市が存在した。

しかし、破壊者と化したタイタンによって見境なく破壊の限りを尽くされ、いまや生存者はいない。

タイタンは惑星近くを航行する宇宙船を大気圏内から攻撃しては撃墜し、その乗員を皆殺しにし、戦闘と虐殺を愉しんでいたのだ。

こうして。

「ぐおっ!」

ウラヌスに突進し、顔面を鷲摑みにして岩壁に叩き付けるような真似をして。