必殺技とは、また何ともチープな響きだ。

ウラヌスが気に入らなげな顔をする。

そんな子供じみた技で、この俺様に匹敵する力を出せるというのか?

「嘗めた事を抜かすな。神化とは幾多の戦闘を経た者だけが至る境地、生き延びよう、強くあろうとする者だけが手を伸ばせる境地、生命体の究極の形態だ。神化以上の戦闘技術がある訳がなかろう」

「…なら、やって見せようか?」

シリウスは、両拳を握り締める。

そして。

「はあああああああああ…!」

呼吸と共に、全身に力を込めた。

立ち昇る湯気のようなオーラ。

ウラヌスのような、バーナーのような激しいオーラとは違う。

ユラユラと揺らめく、陽炎のようなオーラ。

しかし、そんな見た目とは裏腹に。

「ば、馬鹿な…」

ウラヌスの頬を、汗が伝う。

肌で感じられるシリウスの能力値は、どんどん上昇していた。

50億、100億、120億…。

「に…200億…だと…?」