「賢いやり方ではないな」

1人の異星人が、カウンター席を立つ。

猫のような耳、ゴーグルのような蒼い眼、茶褐色の体を持つずんぐりとした体形。

「こんな酒場で、挑発行為をする…まるで三流喧嘩屋のようなやり方ではないか」

落ち着いた物腰と、紳士的な口調で話すが、彼は悪質星人の異名を持つ異星人だった。

物事が自分の思い通りに運ばないと激昂し、暴力に訴える一面もある。

無論、こうしてウラヌスの挑発に応える辺り、実力もある。

「能力値5000万か…弱くはない。が、思い上がるには宇宙は広い」

「ほぅ」

振り返り、ニヤリと笑うウラヌス。

「じゃあ貴様はどれほどだというんだ?」

「…お見せしようか」

グッと、全身に力を込める悪質星人。

途端に、店内の椅子や机が吹き飛ばされるほどのオーラが噴出する!

店の壁がその衝撃で歪み、ひずみ、今にも崩壊しそうだ。

能力値9600万。

ウラヌスのいた銀河ならば、確実にトップクラスの戦闘能力だった。