歩いているうちに、ウラヌスは見慣れた建物を見つける。

この惑星の文字はよく分からない。

看板は読めないが、建物の佇まい、雰囲気や出入りする客で、ここが何かは容易に判断できる。

酒場。

しかもバーのような上等な店ではなく、破落戸ども御用達の立ち飲み屋といったところか。

こんな場所にこそ、腕自慢喧嘩自慢は集っている。

ウラヌスは迷わず店内に入った。

…入るなり、店内の客達がウラヌスを見て一瞬静まり返る。

顔の真ん中に縦に3つの眼を持つ白毛の宇宙人、タコのような顔を持つ宇宙人。

総じて、値踏みするような嫌な視線だ。

それらを不敵に見返したウラヌスは。

「!!」

能力値を開放する。

無論全力は出していない。

しかし数値にして5000万程度。

挑発程度にはもってこいの数字だった。