「ヴァネッサァアァァアァァアァァアァアァアァァアァァッ!」

上空にも届くほどの咆哮で、声が聞こえた。

地表で、強烈な能力値の反応がある。

ヴァネッサには劣るが、そう、原始形態のウラヌスと同等の能力値。

「ま、まさか」

地面を見下ろすウラヌス。

…大地に、1人のドラン人の姿があった。

紅赤の体毛に金眼、長い黒髪に尻尾という、ドラン人の祖先のような姿。

ヴァネッサの非道な行いによって、本能の部分が刺激された斉天大聖が、超越神化から原始形態にまで覚醒したのだ。

ウラヌスの説明を聞いた時から、彼は能力値を密かに昂らせ続けていた。

超越神化で敗北し、フルパワーのヴァネッサを目の当たりにしても尚、諦める事なく能力値を高めようとした。

その結果、斉天大聖はこの土壇場で原始形態に覚醒したのだ。