巨大な建造物を間近で見ると、その全体像が把握できない事がある。

今のウラヌスは、まさにそんな状態だ。

ヴァネッサのフルパワーが大きすぎて、正確な能力値を把握できない。

だから感じ取れないのだ、彼の強さが。

「く…」

全身から白煙を上げながら、空中に浮遊するウラヌス。

「頑丈だな。まぁまだ殺す気では撃ってないが」

呟いたヴァネッサは。

「!!」

遥か水平線の彼方にいるウラヌスとの距離を、一瞬にして縮めた!

面食らったウラヌス、しかし怯む事なく両手からの光線を放つ!

至近距離なのが災いしたか。

ヴァネッサは回避する事が出来ずに直撃を食らう!

「回避する事が出来ない?」

光線の閃光の中で声がした。

直後、閃光の中から伸びてきた手が、ウラヌスの頭を摑む!

「回避する必要がなかっただけだ。効かないからな」

ヴァネッサはウラヌスの頭を摑んだまま急降下、彼を地面に叩き付ける!