「こぉぉおぉぉおぉぉお…っ!」

両拳を作り、能力値を高め始めたヴァネッサの全身を、オーラが包み込む。

まるで神化や超越神化を見ているようだ。

黄金色のオーラが、火柱の如く立ち昇っていく。

惑星全体が、その能力値の高まりに震える。

海が波立ち、大地に地割れが走り、崖崩れが起こる。

雲まで異常な速度で流れていく。

異常気象まで発生させる。

それがヴァネッサの本気、フルパワーだった。

「大人げないなどと言うなよ。調子に乗った貴様が悪いんだ」

限界までの能力値を引き出したヴァネッサ。

言うなれば溶鉱炉だ。

静かで穏やかでありながら、膨大なまでの熱量を感じる。

巻き込まれれば瞬時にして消えてなくなる。

それ程の圧力を感じた。