周囲の岩が破壊される。

雲の状態が変わる。

驚異的なエネルギーの増大を示唆する影響が周囲に現れる。

全身に常時稲妻状の火花が散る。

その姿に、彼は狼狽した。

凶悪星人の異名をとり、この銀河では恐れられる存在だったが、ここまでの強さを肌で感じるのは初めての事だ。

「凶悪星人が聞いて呆れるな。ビビってるのか?」

黄金色の逆立った髪を揺らし、男は笑った。

ウラヌス。

ある宇宙海賊に襲撃され、一族諸共根絶やしにされた筈のドラン星の出身者だった。