「ちーちゃん、今朝も獅坂先輩と登校したんだって?」


「まあ、流れで」


「な~が~れ~で~?」


「りっちゃん、そのノリうざい」


「幼なじみに対して酷くない?」


「私と獅坂先輩は何でもないんだから、いちいちひやさかないでよ」


「相変わらずだね、ちーちゃんは」


「何がよ」


「あの人気者の獅坂先輩がこんなにも積極的に絡んできてくれたら大概の女子は目をハートにして喜ぶと思うんだけど」


「見た目は確かにカッコイイかもしれないけど、中身があれじゃあね。っていうか、そもそも何で私に絡んでくるのかも分からないし」


「うっわ、鈍感」


「はい?」




昼食のパンに齧りつきながらりっちゃんが呆れたような目で私を見てきた。


何て言い返してやろうか、なんて考えていると、急に廊下の方が騒がしくなった。


主に、女子の黄色い声で。