「そうですかね」
「そうだろ」
「私は百って名前、可愛くて好きですけど」
「………」
「先輩?」
「……お前になら、特別に呼ばせてやってもいいけど」
相変わらず目線は合わせてくれないけれど、そういう時は決まって照れているんだと、最近になって分かったことだ。
「じゃあ、百先輩って呼びますね」
「………」
「百先輩?」
「ヤバい、ちょっと嬉しいかも……」
「………っ」
素直になった百先輩はとんでもなく可愛い。
そんなことに気がついた、とある日の帰り道。
これは私だけの特別で、他のみんなには秘密だ。
END

