「ち、千草ちゃんは?」
「え?」
「あ、もしかして妹と待ち合わせ?」
「いや……」
「あれ、でもあいつまだ寝てたような……起こしてこようか?」
「い、いいです!違うから!」
「え?違ったの?」
「今日は、別の人と待ち合わせを……」
なんて話していると、背後から階段を降りてくる足音が聞こえた。
けーたくんと一緒に振り返ると、そこにはぶすっと不機嫌マックスな表情をした獅坂先輩の姿。
ひい!なんで朝からこの人こんなに不機嫌なの!?
「おい、橘。どーゆーことだよ」
「いや、何がです?」
「そいつ誰だよ」
「あ、こちらは同じ学校で生徒会長をやってる……」
「そーゆーことじゃなくて!」
「え?」
わけが分からずポカンとする私に先輩はますます不機嫌になっていく。
隣のけーたくんはといえば、私と先輩を交互に見てはわたわたと焦っている様子だった。

