出勤すると、掃除にコーヒー入れ。
もうすぐ一人前になるたけるが、まだ研修医の私の雑用を一緒にやってくれる。
「かな…。」
『ん?何?』
「今日、大丈夫?」
『な、何が!?』
突然、声をかけられ動きが止まる。
た、たける…。こんなに鋭かったっけ?
「なんていうか、いつもより動きが…
鈍いというか…遅い気がする。
体調、わるいんじゃないの?」
いつもそばにいて、何も言わずに気にかけてくれていたたける。
でも今日は、そんなたけるにも目に余るような行動してるかな…私。
『うーん…いつもより遅い?私の行動。
私は大丈夫だよっ!もし体調悪ければ、すぐに石川先生にも言うしねっ!』
慌てないで、私…。ここで慌てると、余計に怪しまれるんだから。
「そう…。
あんまり無理しないでね。」
なんだか腑に落ちないような顔のたける。
今日一日、気をつけないと…。



