朝、目がさめると、昨夜の身体中の重みは少し軽くなっていた。 隣の幸治さんはまだ寝ている。 一足早く出勤の準備をしなきゃ。 最近は少し早めにみんなより起きて、お母さんの朝ごはんの手伝いをする。 少しずつ、生活も元に戻らせないと…。 ここ数日は良かった体調だけど、なんだか昨日からおかしいような…。 「かなちゃん?どうしたの?」 お母さんに声をかけられ、ハッとなる。 冷蔵庫の扉を開けっぱなしにしていた。 『いえ…、大丈夫です。』 うん、大丈夫。何もない。 そう自分に言い聞かせた。