ガラガラ






扉の音で目を覚ました。






ん?寝てた?





扉に目をやると、






「かなちゃん…。






間に合わなくてごめんな。」





『あぁ、成功して良かったわぁ。』







入って来たのはアメリカから帰ってきたお父さんと、お母さんだった。






久しぶりにみたお父さんとお母さんの姿に涙が溢れでた。






『本当に…良かった、良かった。』






お母さんが私のそばで手を握って泣いている。さらに私は涙が溢れでた。







「うぅ……うっく…」









「かなちゃん、もう大丈夫だから。あまり泣くと苦しくなっちゃうからな。






母さんももうかなちゃんは大丈夫なんだから。」







そうお父さんに説得され、私たちは涙を拭いた。







「かなちゃん、後で胸の音だけ聞かせて。」





「はい…」







はぁ、まだまだこれからも続くんだなぁ。







「ん?かなちゃん?」






お父さんの問いかけに俯く。






「まぁ、これから何もなければ、君の心臓はそのまま育って立派な心臓になってくれるからな。」











私の考えていることがお父さんは分かったようだ。







「はい…。」







「喘息は続くけど、これからはお父さんもそばで見てあげることができるから。」







え?そばで?






顔を上げると、ものすごく嬉しそうな顔のお父さんとお母さん。






『お父さんのアメリカでのお仕事に区切りがついたから、これからは日本で生活できるわ。』






「ぇえっ!本当ですか!?」







これからはお父さんとお母さんがそばにいてくれるなんて。





私にとって、この二人は義理の両親でなく、本当の両親だと思っているから。







これからも病院通いは今まで通り変わらないと暗い気持ちだったけど、これからお父さんとお母さんのそばにいられると聞いて、気持ちが明るくなってきた!








それからはお父さんの長い診察を受けて…、二人はしばらくしてから帰って行った。









なかなか痛みが引かなくて眠れなかったのに、気付いたら気持ちよく眠っていた。