未知の世界5


聴診器が胸から離れたころ、私はちょうど睡魔が襲いかかっていた。







「っな……。かなっ!」









目を開けると幸治さんに肩を叩かれ起こされているところ。







「このまま寝たら飯食べずに朝を迎えるぞ。」








いい気持ちで寝ていくところだったのに。さっきまで考えていたブルーな気持ちが今はスッキリ忘れて目を覚ましたのに、食事をしなくてはいけないと言われたとたん、再び目の前がブルーに。







「食べるぞ。」







口調はやや厳しいものの、起き上がろうとする時には、背中を押してゆっくり起こしてくれる。






そんな幸治さんの優しさを感じると気持ちが少し軽くなる。